荒川氏の展示品収集の歴史

収集の動機と米国・英国での活動

シャープ株式会社の米国現地法人会社SEC に出向勤務の約10 年間(1978 – 1988)と、英国現地法人会社SUKM に出向勤務の約8 年間(1990 – 1998)に、現地で生活し、趣味のアマチュア無線を通じて交友を深めた現地のアマチュ無線家達の中に、アンティーク(ビンテージ)ラジオのコレクター(複数)が居て、アマチュア無線とも関連する趣味の一つとして、独立した団体を紹介された。米国ではAWA(Antique Wireless Association)、英国ではBVWA(British Vintage WirelessSssociation)であるが、それらの団体に入会し知識を深めると共に、メンバー達の自宅でのコレクションや、開設する私設博物館で、彼らのコレクションを拝見させて頂いて興味を持ち、これらの収集は今がチャンスで、時代の経過と共に入手が困難になり、特に黎明期や発展期のラジオやその部品等は、我々日本の技術者達が学んだものそのもので、いずれ日本に持ち帰って、関係者には勿論、一般の人達にも公開して見て貰いたいと、それらの団体のコンベンションでのオークションやフリーマーケットでの販売/交換会等で入手してきた。これらの中には蓄音機やテレビジョンも含まれている。

蓄音機については米国のSEC があるニュージャージー州のメンロパークにエジソンの博物館があり、車で日帰りが出来るため、何度も出かけては見学させて頂いた。この博物館はエジソンの研究所や工場をそのまま博物館としていて、近くにはエジソンが住んでいた住居も残っていた。当然エジソン社が製造販売した蓄音機が収蔵品として保存/展示されていたが、寄贈者から寄せられる蓄音機には、同じモデルの重複品があり、それらは博物館の運営資金のため販売することもあるらしく、そのまれな機会に遭遇して入手出来たものもある。

また英国に駐在中に旅行したスコットランドで、ラジオの収集家を訪ねてそのコレクションを拝見させて頂き、その地方でビンテージラジオに関心を持つ人達が作って運営している博物館MoC (Museum of Communication FoundationTrust)を見学させて頂き、入会させて頂いた。これは今も続いていて毎年会費と寄付金を送金している。

その他、米国のスミソニアン博物館や、カナダの通信博物館など、多くの公設博物館や、私設博物館を見学させて頂く機会を得た。これらの活動から収集したコレクションは、帰国時の家財道具として、シャープが契約する運送会社が輸送、通関手続きを行ってくれたため、無事日本に輸入する事が出来た。

日本での活動

日本にも、アンティークラジオのコレクターが居られることを、東京ハムフェアの展示ブースで知り、そのクラブAWC(Antique Wireless Club)に入会し、機関紙への投稿の他、ミーティングへの参加などしていたが、メンバーの減少で消滅、唯一メンバーの岡部さんが、松本市で「日本ラジオ博物館」を設立され、収集された日本のラジオを中心に、展示しておられる他、博物館の紹介やラジオの研究成果を次のホームページに紹介しておられる。
日本ラジオ博物館のホームページURL: https://www.japanradiomuseum.com/

日本で入手したラジオは少ないが、この岡部さんから譲り受けた、シャープ製のラジオと、電蓄がそれぞれ1台ある。

コレクションの活用事例

米国と英国から持ち帰った、アンティークラジオのコレクションは、次のような催事で展示、実演してきた。

コレクションの今後の活用

コレクションは、ラジオの他、テレビジョン、蓄音機、アマチュア無線の通信機等、また少しではあるがタイプライター、パソコン、電話機、カメラ等々もあり、総合するとマルチメディアに係わる全般のコレクションであることから、これらを散逸させず「ラジオ博物館 (マルチメディア博物館)」として後世に残し、未来の人達の研究に資することが出来れば良いと考えて来た。

その保管先として、「狭山池博物館」は「狭山池を中心とした土木博物館」で馴染まず。「天理シャープミュジアム」は「自社製品の保存/展示を目的とした企業の博物館」として、その範囲の拡張は難しく、また長野県松本市の「日本ラジオ博物館」は、日本のラジオに特化した私設博物館で、そこに託すには将来的な不安があるしと、模索している中で、20xx 年の広島での合同ミーティングで、吉房さんがリフォームしておられる古民家で、「ラジオ博物館の創設」の話が持ち上がり、コロナ禍を経てその準備が出来つつあるところである。