蓄音機の歴史と展示品

音声や音楽などを録音できるようになったのは、それほどむかしのことではありません。1877年に、アメリカのトーマス・アルバ・エジソンが錫箔円筒蓄音機を発明して、はじめて音を録音できるようになりました。20世紀に入って、エジソンが円筒式蓄音機を大量生産し、一般にも蓄音機が広まりました。 エミール・ベルナーが1988年に開発した、レコード円盤に録音するの円盤式蓄音機は、多くの人によって改良が重ねられ、広く世界に普及しました。音を記録再生する機械は、わたくしたちのくらしに欠かせない道具になりました。

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19世紀後半:発明と初期の発展
  • 1857年: フランスのレオン・スコットが「フォノトグラフ」を発明。音の波形を視覚的に記録する装置で、再生はできなかった。
  • 1877年: トーマス・エジソンが、音の録音と再生を可能にした「蓄音機(フォノグラフ)」を発明。錫箔を巻いた円筒(シリンダー)に音の溝を刻む方式だった。最初の録音は「メリーさんの羊」。
  • 1887年: エミール・ベルリナーが、円盤型のレコードを使用する「グラモフォン」を発明。シリンダー方式に比べ、量産が容易なため、後の音楽産業の基礎を築くことになる。
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20世紀初頭:円盤式レコードの普及と黄金時代
  • 1888年: エジソンが、改良された蝋管(ワックス)シリンダー式の蓄音機を完成させる。
  • 1901年: アメリカでビクター・トーキング・マシン社(後のRCAビクター)が設立される。
  • 1906年: ビクター社が、内部にホーンを格納した家具のような蓄音機「ビクトローラ」を発売。家庭の娯楽の中心として定着する。
  • 1909年: SPレコード(Standard Playing record、毎分78回転)の規格が統一され、レコードの互換性が確保される。
  • 1910年: 日本でも初のレコード会社「日本蓄音器商会(ニッポノホン)」が設立され、国産レコードの制作が始まる。
  • 1920年代: 電気録音技術が開発され、より高音質での録音が可能になる。これにより、オーケストラの壮大な演奏も忠実に記録できるようになる。
COLUNBIA GRAFONOLA
VICTROLA VV-9
HMV 101
ニッポノフォン・ユーフォン
Vita-tonal Columbia Grafonola
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1930年代〜1940年代:電気式蓄音機への移行と変革
  • 1930年代: ゼンマイ式から電気モーターで駆動する電気式蓄音機が主流になる。
  • 1945年: イギリスのデッカ社が、より広い周波数帯域を記録できるFFRR(Full Frequency Range Recording)技術を開発。
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1950年代以降:レコードの進化と新たな競争
  • 1948年: コロンビア・レコードが、長時間録音・再生が可能なLPレコード(Long Playing record、毎分33 1/3回転)を発売。
  • 1949年: RCAビクターが、より手軽なEPレコード(Extended Playing record、毎分45回転)を発売。
  • 1950年代: ポータブル蓄音機やレコードプレーヤーが登場し、さらに手軽に音楽を楽しむことができるようになる。
  • 1958年: ステレオ録音・再生技術が実用化され、レコードから立体的な音響が楽しめるようになる。
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現代:遺産としての蓄音機
  • 1970年代〜1980年代: カセットテープ、CDなどの新しいメディアが登場し、レコードや蓄音機の主流は終焉を迎える。
  • 現在: 蓄音機はアンティークや骨董品として、また音楽愛好家のコレクションとして価値が見直されている。レコードはアナログレコードとして、現代でも根強い人気を保っている。